小悪魔な亜莉子と打たれ弱い叔父さん チャイルドプレイ

寒いけれど天気がとても良い日だった。

でも 私の右隣を歩く叔父さんの表情は暗い。

私のより重い買い物袋を持つ その姿も何だか猫背気味。

「叔父さん」

と声を掛けても反応も鈍い。

発端は ついさっきの出来事だと思う。

二人で買い物に出掛けた先で 恰幅のいい優しそうなおばさんに、

「あら、親子でお買い物? 仲良しなのねぇ」

と 何の悪意もなく言われたことが原因だ。

三十歳になったばかりの叔父さんとしては少しショックだったみたい。

でも、そんなに落ち込まなくてもいいのに。

「なあ、亜莉子ぉ…俺ってそんなに老けて見えるか?」

叔父さんは ぽつりと呟いた。

私は叔父さんの顔を見上げた。

その目はやけに真剣だ。

さっきの言葉を真に受けちゃってる、絶対。

何だか無性に可笑しくなって つい意地悪をしたくなった。

「………えっと、そんなこと、ない よ?」

わざと伏し目がちに言ってみた。

「その間は何だよ…」

叔父さんは がくりと項垂れた。

 

私は笑いを堪えきれずに吹き出してしまった。

何て単純で素直なひとだろう。

(私も ひとのことは言えないけど)

これだから この人をからかうのはやめられない

誰に子供染みた行為だって言われても。

 

でも。

「私は 嫌じゃないけどな…」

私は 構わないのに。隣を歩くこの人と親子に見られたって。

「何か言ったか?」

「ううん、何でもなーい」

そんな事を言ったら あなたはきっとまた 困った顔をするのかしら。

 

 

 

 

 

あとがき

タイトルは何か適当です(すみません・・・)

いいタイトルってなかなか思いつかないですね。

叔父アリ日常を目指したのですが見事に挫折です・・・何が言いたいんだろうコレ・・・。

叔父さんは繊細な心の持ち主だと思います。ガラスの心ですよ。

亜莉子は武村さんにお父さんを重ねるより叔父さんに重ねておいた方がいいと思います。その方がきっと安全ですよね!

叔父さんは三十歳か三十一歳くらいかな、と思ってます。